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 「総合学習の未来へ

高度情報化社会に対応した教育基盤の整備を

IT(Information Technology革命がもたらすもの

 近頃、新聞紙上をITという2文字がにぎわしている。

ITすなわち情報技術(Information Technology)の略語として使われているこの言葉は、次世代産業の代名詞でもある。現在、第23?)の産業革命と呼ばれるものが、世界中を席捲している。19世紀イギリスで興った産業革命に次ぐ大きな波である。 

アメリカを中心に始まったコンピューター革命は、新しい産業と新しい社会・情報化社会の到来をもたらしたといえる。先進国アメリカは、すでにこの社会資本の整備に着手し、インフラの整備をほぼ整えつつある。

ただ、この新しい波がもたらすものは、従来のモノ
中心の発展だけではないのが、大きな特長である。 それは、情報というモノではないが、確実にこれから商品化されてくるものである。

情報とは、そもそも何であろうか?非常におおざっぱに定義づけすれば、それは、「ことば」であるといえる。言葉すなわち、言語が、この媒体の本質である。数字や、映像もすべて言葉の定義から成り立つものであると考える時、ことば・言語の重要性が浮き彫りにされてしかるべきである。この定義づけが、日本の新聞や、報道には、なされていないように思われる。

やはり、モノ中心の旧態然たる、思考の範囲を出ていないように見受けられる。しかしながら、この新しい革命の発祥地アメリカでは、そうではない。その本質を見抜いているであろう対応が既に国を挙げて行われている。

それは、「教育改革」である。

今から溯ることおよそ
20年前、大学生の学力低下に「国家」的危機感を持ったアメリカ国民は、議会への報告書「危機に立つ国家」を出発点として、抜本的な教育改革に乗り出した。その大きな原動力は、「基礎学力重視」そしてその発展という考え方であった。基礎学力の重要性に目覚めたアメリカは、その範を当時経済の隆盛にあった、日本の初等教育に求め、徹底的に研究した。その結果、「国語」(アメリカでは英語)と「算数・数学」の徹底した初等教育でのトレーニング(日本では、これを「読み書きそろばん」とよんでいるが、)が、高い日本の教育水準を支えていることを発見し、これに重点をそそぐことを国家的な目標と定め、実行に移した。明確な達成基準値をもうけ、各学年に達成を確認するテストを導入していった。

その結果、
20年後の今日、かつては、「アメリカ人は、暗算も出来ない」等と揶揄された悲惨な現実に終止符を打ち、アメリカのセンター試験にあたる、SATでは、数学が、その受験者数が増加しているにもかかわらず、過去25年間で最高点をマークする結果を得ている。

つまり、情報技術先進国は、情報の本質とは、何か?を的確に見抜いて、全国民の基礎学力・すなわち、読み書き・そろばんの力を最大限に伸ばすことにより、新しい産業の担い手の育成にすでに成功をおさめているのである。

かたや、アメリカの範となった日本は、どうであろうか、かつての日本の繁栄と成長の礎となった、「画一的に」質の高い教育の伝統を捨て去り、かつて、アメリカが失敗した、総合学習の手法を国を挙げて取り入れようとしているのである。この教育差は、いずれ、経済格差となって現れてくるに違いない。